マルチユーザーに対応してほしいな、iPad。


GoogleからNexus 10が発表になりました。解像度などに注目が集まっているようですが、ぼくが気になったのがAndroid 4.2搭載によってマルチユーザー(ユーザーの切り替え)に対応したこと。そして、iPadがいまだにOSレベルでマルチユーザーで使えるようになっていないということ。


iPadの発表会でジョブズがソファーに座ってiPadのデモをしたとき、「ああ、これはリビングで使うものだな」と自分の中で利用シーンがクリアに描かれました。もちろん、軽いし薄いし3Gだってつけられるので外に持ち出すという用途でも十分すぎるほどのパフォーマンスを見せるiPadですが、ぼくがまずイメージしたのは「場所に属する存在としてのiPad」でした。


すわなち、家庭内利用。リビングのテーブルに、寝室の枕元に、風呂場に、トイレ(笑)に、、、。デバイスが人に属するんじゃなくて、場所にひもづいている、、、そんなイメージを持ったのです。だから、マルチユーザーはiPadに欠かせない機能なのです。iPhoneのような携帯電話に類するものであれば人が肌身離さず持ち歩くのはごく自然なことですが、iPadを家の中でいつも自分のそばに置いているひとは、、、いないのでは?


AppleのデバイスiCloudによってデータの可搬性が向上しました。しかし、ひとつのiPadにはひとつのIDしか結び付けられておらず、「使う人」の可搬性は実現していません。iPadと人は一対一でがっちりと結び付けられたままなのです。同じAppleのパソコン(Mac OS)ではとうの昔にマルチユーザーが実現していることを考えると、これは技術的な理由というよりAppleの戦略あるいはビジョンからくるものなのかもしれません。


でもなあ、ジョブズはソファーに座ってiPadをデモしたですよ。家の中での利用シーンをぼくらに見せたですよ。であれば、家庭内利用に欠かせないマルチユーザーはぜひにとも対応してほしいなあ、と願うものであります。(でも、これから対応してくれたとしても家にある初代iPadはその恩恵にあずかれないでしょうが…)