スタバと屋台コーヒーと財布の紐


大好きというわけではないのですが、平日はほぼ毎日コーヒーを飲みます。二日酔いへ一発ガツンするために、またあるときは昼下がりの血糖値との戦いに備えるために。会社の入っているビルの地下にあるからということと、タリーズはぼくにはちょっと脂っこいという理由から、これまではスターバックスで「本日のコーヒー」を調達するのが日課となっていました。


そのスターバックス、最近はやや足が遠のいています。2年ほど前に20円値上げしたときはなんとも思っていなかったのですが、最近さらに10円上がり、「本日のコーヒー」は290円(ショートサイズ)。ほんの "10円"、なのですが、この値上げ幅、そして300円ラインとの差額は、微妙に人間心理に訴えるものがあります。そんなとき目にとまったのが、ビル一階の屋外(メトロスクエア)にある、屋台のコーヒー屋さん「もとよし珈琲」。私のお気に入りである「ストロング」は一杯200円で、その場で豆を挽いてペーパーフィルターで淹れてくれます。スタバとは風味が異なりますが、こちらも大変おいしい。スタバとの差額90円は、結構大きく、いつの間にか、スタバへ行く回数は激減し、もとよし珈琲でコーヒーをいただくことが激増しました。


もとよし珈琲の唯一の難点は、並ぶこと。上述のように都度豆挽きからはじめますから、どうでしょう、2分くらいかなあ、一杯淹れるのに時間がかかるものの、「良いものを安く」を求めるサラリーマンが開店時間中列を作り続けます。時間がないときは90円で時間を買うがごとく "仕方なく" 地下のスタバへ行くわけですが、同じような感覚のひとも徐々に増えてきているのではないでしょうか。スタバの最近の不調は出店数を急激に増やしすぎたことが大きな理由のひとつではないかと思いますし、実際、店で閑古鳥が鳴いているなんてことはあまりないのですが、でも確実に行列は減りましたね。不況になれば財布の紐が締まる、というか、締めちゃうのではなくて、選択眼がよりシビアになるということですね。あ、もっとも、これは一般消費の場合。ビジネス上では、「いまは一旦締めとこう(投資は凍結して様子を見よう)」という動きがビシビシ伝わってきます。