職人とシナリオライター


今週は、会社の主催イベントに参加するため久しぶりに宮崎へ来ています。シーガイアで開催されたイベントは昨日までで一通り終了し、私は今日東京へ帰るのですが、約2年半ぶりに訪れた宮崎は変わらず良いところでした。惜しむらくは、今回はスケジュールがびっしりでシーガイア近辺から外へ出ることがかなわなかったことですが、早起きして散歩したときの空気など、すがすがしさは相変わらずでした。


イベントは、私たちの製品をお使いいただいているお客様、あるいは、使っていただけるとうれしいなあと考えているお客様のエグゼクティブの方々をお呼びしてのもので、初日基調講演では東国原知事も "サプライズ" 参加 (お約束?) し熱心に企業誘致の講演 (?) をされるなど、話題には事欠かない2日間。先日 "店じまい" の発表があった巨大屋内プール「オーシャンドーム」ですが、イベント初日の夜にはパーティーが開かれました。これって、もしかして同プールでの本当にほんとに最後のイベントだったのかしら?


今回のような IT ベンダーのイベントを大都市から離れたところで大規模開催するというのは、日本ではあまり例のないことだと思います。日本ではビジネス拠点の分散化が進んでいないためエグゼクティブの方々に一堂に会していただくことが難しいことや、主催者の立場ではビジネスへの貢献度の評価が難しいということもありますが、それ以前に、大きなホテルを貸し切って「おもてなし」あるいは「エクスペリエンス」を重視したイベント自体があまり得意でない国民であるというのがその理由なのかもしれません。今回の私たちのイベントはきっちりできたと思っています (もちろん反省点はありますが) が、このおもてなしイベントというものは細部に徹底的にこだわらないとうまくいきません。このこだわり方に不十分なところが少しでもあると、全体が「なんかイマイチ」なものになってしまいます。


端的な例を挙げれば、ディズニーランドのような空間を作るのはアメリカ人の方が圧倒的に上手で、日本人は意外にうまくありません。ほとんどの人が目にしないであろう細かい部分にまで徹底的に演出を加えます。このこだわりの積み重ねが、イベント全体から発散されるエネルギーや暖かさにつながるのです。目に触れる表面的な部分をそこそこ整えるのは日本流。目に見えなくてもその背景まで含めてストーリーを考えて場を形にしていくのがアメリカ流。職人的なこだわりは日本人の方が高いはずですが、職人とシナリオライターは違うのですよね。