"Have Fun" --- 楽しむことは重要だ。でもね、ってときもあるんだよね


私が通う会社の入っているとあるビルのイベントホールで今日、本年最終四半期の「セールスキックオフ」、ありていに言うと営業決起集会が執り行われました。先月着任したばかりの社長が冒頭挨拶で語った言葉はどれも素晴らしかったのですが、それぞれは極めてシンプルな「コミットメント」、「リスペクト」、そして「楽しむ」、というメッセージでした。


ここでは、最後の「楽しむ (Have Fun!)」に注目します。この言葉、私も個人的にずっと好きな言葉です。そう、Lotus Development の社訓にも最後にこれが書かれていました。仕事ってものは、楽しいか楽しくないかではなく、楽しむものなのである。いやむしろ、仕事とは元来、多くの人にとって楽しくないものなのだ、という前提に立てば、つまらないと感じても楽しいと思い込むことによって、本当に楽しい仕事に出会えたときの感動というか、満足感は計り知れないものになる、ということだと私は理解しています。


会社人であるならば、「楽しむ」ことを徹底的にやり抜き、それでもどうにもこうにもならなかったとき、自分の志向とその会社にもはや接点がないかどうかを冷静に判断できたならば、次なる会社を視野に入れることもありだと思うけれど、単純に「つまらないから」、「自分には合わないから」と結論を急いだり、うまくいかないことを組織のせいにしたりすることが何の足しにもならないことは、私の経験上断言できる。梅田望夫さんや斎藤孝さんも、その対談『私塾のすすめ』の中で「なぜもっとその会社の中でやるべきことをやらないのか」と語り合っています。


とは言え、なんですよね。外資系の会社において組織の合理化と集中化が進んでくると、自分の努力を棚にあげて「組織が悪いから」と、理由をそこへ求めたくなる場合があることを、私自身もこれまで経験してきています。そのような状況下では、もはや論理性を超越したところに正義があったりして、思考停止を余儀なくされる場所があることも、これまた経験上、現実的な問題として、理解しています。もう、理屈が通らない世界。そういう場所も、世の中には、確かに、ある。たいていそれは、上述のように外資系の会社、中でも大規模外資系企業に見られる状態であります。


私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

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