IT 業界におけるストレージのことを花形であると言う人は少ないでしょう。「データを保管しておく装置」程度の認識が一般的でしょうし、システム部門以外の方々からすると「どこも同じじゃないの?」という見方も多くあるのではないでしょうか。
しかしストレージっていうのはとても奥が深くて、いまなお進化し続けている装置群なのです。ここでいう進化とは、サーバー機が CPU やメモリーの性能向上にあわせて成長していく様とは違って、いまなおその実体を環境の変化に適応するべく変革させ続けている、そういう意味での進化です。現代のストレージは、「サーバー機にケーブルでプチッとつないだ外付けハードディスクのリッチなやつ」などという単純で地味な装置ではありません。たとえば、上位クラスのディスク装置の構造はもはやサーバー機との区別がつけることが難しく、実際、IBM のハイエンド・ストレージの中身は同社の UNIX サーバー機と非常に似通っています。同様に、「仮想化」という言葉はコンピュータの世界ではよく聞かれるようになりましたが、いまストレージでは仮想化がとってもホットなのです。 ...とまあ、こんな具合。
そんなストレージの世界にほんの少しでも興味がわいてきたら... 以下の連載コラムが超おすすめです。
この一連のコラムは、年初から週一回程度のペースで ZDNet に掲載されていたものです。すでに連載は終了していますが、すべての記事は日本 IBM のストレージ関係者が持ち回りで執筆*1しており、ストレージの仕組みや歴史がたとえ話を使って非常にわかりやすく書かれています。IBMとストレージの関係について良くご存じない方のために補足しておくと、IBM のストレージへの取り組みは古く、世界で最初のディスク・ストレージを作ったのも IBM ですし、テープ装置でも業界最先端*2の研究、開発を行っています。
このコラム、執筆陣は IBM 社員ですが本文には同社製品の宣伝文句はまったく登場せず*3、気持ちよく読めるものばかりです。読み方のコツですが、毎回毎回異なるテイストのたとえ話が用いられているので一気に行かずにに一日一本くらいのペースで読み込むと良いかもしれません。
暑い日が続きますが、夏休みの読書感想文にぜひ.....なわけないか。