バーガーキングが再上陸らしいけど


撤退してからもう6年なのか、と時の経つのは早いものだと感慨深げに思い出に浸っているわけではありません。この再上陸、果たして吉凶どっち?を考えてみたいと思います。


(1) 時代が違う
日本の景気が年々少しずつ良くなって、インターネットもさらに普及して、世の中的にはお財布事情 (嗜好の多様化にもつながる) もマーケティングのあり方も6年前とはだいぶ変わってきてます。ここに付入る余地があるかというと、あるでしょうね。「他とは違う」っていう路線を上手に訴求して消費者の輪の中へ入っていければ、同じ失敗を繰り返さずにいけるかもしれません。


(2) 肉はどうか
これは好みだからなんとも言えないけれど、私はあの肉を美味しいと思ったことはありません。「直火」って言うんだけど、ジューシーさがないのです。なんというか、パサパサしていて、「アメリカで食べる肉」っていう感じ。(平均的な肉の場合。上級なものはもちろんアメリカでも美味しい)
ハンバーガーといえばマクドナルドから始まった私の世代では、まずはマックのパティがひとつのベンチマークになります。それとの比較において、「モスバーガーはあっさりしているよね」とか「サンテ・オレ(古い!)のは牛肉の風味がいまひとつかな」なんていう評価を私はします。日本人に受けるかどうかを議論するにあたってこの評価方法が適切かどうかを追及されると困っちゃうのですが、上述のように味なんてものは極めて個人的なものなので、私の舌には (好むと好まざるとにかかわらず) マックの味が物差しとして組み込まれているので仕方がなくその範囲で評価している次第です。で、バーガーキングの肉はマックのそれより味が劣っていると、私は思います。(素材とか調理法のことは無視して純粋に味を見た場合のことです)
日本人は、世界でもめずらしい「うま味」という味覚を持っていると、オテル・ドゥ・ミクニの三国さんがおっしゃっていますが、私の記憶にはバーガーキングのパティにうま味を感じた、とは残っていません。


(3) 主力商品「ワッパー」について
肉以外のワッパーのつくりは、悪くないと思っています。トマトや適当な野菜が入っていて、まあそれなりにバランスは良い。


(4) ブランドについて
これはそこそこあるでしょう。日本においては「一旦は撤退した」っていうマイナスな印象もあると思いますが、これはあまり大きな影響はないと思います。消費者はすぐ忘れます。


ということで総合的に見ると、前回よりはうまく行けそうな状況かもしれないけど、私はどちらかというと否定的です。これは主に、あのアメリアメリカした大味さを嫌ったところからきた結論ですが、最近の若者の味覚を知らないので、もしかすると受け入れられるのかもしれません。仮に受け入れられたとしたらそれは、(a) 若者の味覚に受け入れられた(または受け入れられる肉に変えた)、もしくは (b) 味覚は二の次かもしれないけど、それを上回るノリとかブランドで上手に再上陸できた、のどちらかということになりますね。