リコール・リコール

saitokoichi2007-06-08



我が家の車へ、リコールのお知らせが届きました。学生時代から通算20年近く自家用車を乗り継いできましたが、リコール通知をもらったのは実ははじめて。


メーカーから届いた封筒には『リコールキャンペーンのお知らせ』とあったのですが、仕事柄 "キャンペーン" という文字を見ると商売を伸ばしたり活性化させたりするための一連の販売促進活動と理解してしまい、最初はそれが「重大な欠陥が見つかったので無償で修理するよ」というお知らせであるとは思えませんでした。他社はどうかと調べてみたら、だいたいどのメーカーも「リコールキャンペーン」または「サービスキャンペーン」と呼んでますね。どっちもどっちだけど、まあ、「リコール...」のほうがまだ誠実な表現かな。


IT業界、とくにソフトウェア産業では不具合=バグをゼロにすることは極めて困難です。ひとたび重大なバグが発見されると、その修正プログラムを通常はコードの "上書きという形で置き換え" をします。これによってコード上の論理の誤り、あるいは仕様そのものの間違いを訂正するのですが、車の修理(リコール)で特定部位の部品を交換したり補強/補完したりするのと似たようなものです。ああ、機械もソフトウェアも思ったように働いてくれないんだよなあ、などと思いながら両者の物づくりの違いについて考えてみると、機械が自然の摂理と言うか物理法則の中でそれを操るか操られるかといった狭間でアートしている一方で、ソフトウェアは自然の摂理そのものもプログラマーの手の中 (頭の中?) から生み出されているわけで、アートのための究極のフリーダムと言えますね。IBM 時代、ソフトウェア事業からハードウェア部門へ異動を希望していたころを "recall" (思い出す) してみると、「制約のないソフトウェア」はだいぶ経験したので、次は「制約のあるハードウェア」ってどんなものか見てみたかった、なんて思ってました。そんな私も、再びソフトウェアな世界へ戻っているわけですが。


さて余談です。リコール通知で知ったのですが、私のとまったく同タイプの車は今回のリコール対象期間 (7ヶ月間) でたったの28台しか日本に輸入されていませんでした。単純に算数しても年間輸入台数は50にも満たない。マイナーなメーカー/車種の中でも、さらにマイナーなタイプだったようで、嬉しいやら笑っちゃうやら。。。