JRA(日本中央競馬会)の投票システムはすごい

saitokoichi2006-10-12



私の数少ない趣味のひとつに競馬があります。予想している間も人のウンチクに耳を傾けるときも競馬場や場外馬券売り場にいるときもレースを見ているときも、みな楽しいです。念のために申し上げますが、私は競馬以外のギャンブルは一切やりませんしパチンコもやったことがありません。さらに宝くじにもまったく興味ないです。「馬に人が乗って走る」、そこに惹かれているみたいです。もちろん、予想が当たって儲かることがあればなおよいですが、クレイジーキャッツの歌にもあるように馬で金儲けした奴ぁいないよ、趣味ってのは多かれ少なかれお金がかかるもんだね、って思ってます。


さて、JRA(日本中央競馬会)はかなり前から電話による投票ということをやっています。与信の観点から誰それ構わず電話投票を受けるというわけにもいかないので、原則抽選によって限定されたユーザーのみが許された投票方法となっています。*1 この電話投票(PAT)は年々進化していて、「電話による投票」→「専用端末やファミコンからの投票」→「携帯電話からの投票」そしてインターネット経由での「Webブラウザからの投票*2がすでに実現しています。ユーザビリティーの観点からもこのWebブラウザ投票は少しずつ進化を継続しており、Flashを使った非常に操作感がいい環境ができたと思ったら、来月(2006年11月)からはひとつの画面でオッズを見ながら*3投票できるよう改善されるようです。


このPAT、某国産ベンダーがシステムを請け負っているらしいのですが、よくよく考えるとすさまじいシステムと言えます。人気レースともなるとおそらく数十万からのPAT会員(PAT会員総数は200万人を優に越えています)に加えて通常の窓口販売(日本全国の競馬場および場外馬券売り場)からの購入をすべて瞬時に集計し払戻金を算出します。たしか今はレース発走の2分前まで購入できるはずなので、そこからレースの終了+着順確定までの数分間の間に計算が完了するだけでなく、的中馬券の払い戻しは金は各PAT会員の持ち金に即反映されます。つまりたとえば、所持金100円でスタートしその100円すべてを使って馬券を購入、仮に馬券が当たったとすると次のレースでまた馬券が買えるのです。(2倍の倍率の馬券が当たれば200円分購入可能です) 銀行のATMオンラインと比べたら大したことないよ、って言われちゃうかもしれないけれど、多様な端末からのインプットを即座に処理し分配するという、それなりの規模のシステムがタダで使えて*4、しかも日を追うごとにサービス内容が進化しているというのは立派です。


JRAさんも、ここまでまじめに進化を続けていくのであれば、集客力を活用してPAT投票サイトで広告で儲けたらどうかしら? PATサイトでSNSみたいなこと始めたら、すごいことになりそうだなあ。これって競馬法に引っかかるのかな??


(余談ですが、今週はシンガポール出張中です。写真はホテルの部屋に並んだ謎の便器ふたつ -- 片方はどうやら便器ではない模様)

*1:現在は、イーバンク銀行に口座があれば即会員となれる「即PAT」というサービスもあります

*2:サービスの利用にはPAT会員となる必要があります

*3:誰でも損はしたくないですから、馬券購入の際はオッズを気にします

*4:PAT会員費というのはありません