個人情報保護法と内部統制、ユーザー視点の変化

Biz Innovation、ロータスブース (2006



10月18日〜20日東京ビッグサイトで開催されていた「Biz Innovation」というイベントに出展社のひとつとして参加しました。同じビッグサイトでは「WPC」が Windows Vista で沸いていましたが、その横で地味に実直にやっていた若干ビジネス志向のイベントです。(WPCは21日、本日までやってます)


最新の情報がインターネットからいくらでも取れる時代になり、このような総合イベントは年を追うごとに数や規模が小さくなってきてはいるものの、個人的な印象としては下げ止まりというか、だいぶ淘汰されてきたのかなというところだと思っています。さて今回私は19日木曜の午後のみ自社のブースに立っていましたが、出展各社ブースへの人の入り具合であるとか、私が会話したお客様の生の声を聞いていると、統計上の数字には表れない世の中の動きみたいなものを感じることができました。


たとえば内部統制。言うまでもありませんが、ここまで内部統制が注目を集めるのは、数々の企業の不祥事発覚や法規制(日本版SOX法など)準備の重要性などが理由のひとつと考えられますが、数年前「個人情報保護法」対策が注目を集めたときとはお客様側の思考がちょっと違うと感じました。「個人情報」のときも、この言葉を出せばセミナーでもイベントでも人は集まったのですが、それがお客様の購買にどれだけつながったかというと、ベンダーの期待よりはるかに小さいものであったと思っています。私の分析では、当時のお客様は「個人情報保護法対策のためのポイントソリューションがあると期待して」いたものの、きっちりとした対策にはシステムの部分的な変更では足らないということが明らかになり、断念した、あるいは部分的に「とりあえずの対応」を施したお客様が多かったのではないかと。つまりお客様は部分最適で済めばやりたいけど全体最適という視点は薄かった。(だからTivoli software*1は苦労していた?!)
ところが先日ブースで何人かのお客様と話をしてみると、どうも今回はみなさん腹を据えてらっしゃるのでは、と感じました。ITシステムをきっちり見直していこうという意欲がはっきりと伝わってくるお客様が多かったのです。たとえば、「個人情報」の騒ぎのときは『個人情報に効く薬ありませんか』的な話が多かったのですが、今回は『内部統制の実現=自社のITへの取り組みを根本から考え直す』ということはすでにお客様側で理解と覚悟ができあがっており、お客様の視点が個別最適から全体最適へと確実に移ってきたことをあらわすような印象を強く受けました。


余談ですが、写真は弊社ブースのすぐ前にデンと構えていたIBMブース。ここではロータスが主役、Sametime 7.5や Notes/Domino がビジネスパートナー様のソリューションとともに展示されていました。ロータスブランドもだいぶ人の入れ代わりがあり、説明員として立っていた社員のうち私が知っているのはたったひとりでした。その彼もつい最近開発部門からロータス営業部へ異動してきたのだとか。IBM大和の開発拠点では、元ロータス開発部隊もすっかり少なくなってしまったようで、なんともさびしい。

*1:当時マーケティング担当者でした