チャット型不動産屋について

f:id:saitokoichi:20200813160237j:plain

娘がひとり暮らしを始めるというので賃貸物件探しを長らくしていたのですが、ひょんなことから「チャット型不動産屋」という存在に出会い、ちょっと刺激的な経験だったのでメモ。

 
お恥ずかしながらこの「チャット型不動産屋」というものをこれまで知らなかったのですが、ビジネスとしては最近登場したものではなく、思ったより歴史があるようです。とはいってもここ10年以内くらいでしょうか。ネット時代の感覚からすると、ずいぶんと昔からあるのね、という具合です。

 
名前から容易に想像できるように、「チャット型不動産屋」はチャットを通じて顧客とコミュニケーションする不動産仲介業のことですが、「チャット」という言葉だけでは言い表せないすばらしい顧客体験をすることができます。とにかく、

  • 早い
  • 安い
  • 簡単

とまあ、いいことづくめなのです。

 

 「チャット」は表面的なことでしかなく、その実、不動産仲介業の仮想化とでも言いましょうか、ITを駆使して最速・最適な家探しをサポートしてくれる現代流ビジネスのカタチを表しています。たとえばチャットは基本的な会話であればAIが対応するし、担当になった営業さんにはチャットやメールでいつでもつながれるし依頼事項への対応も極めて迅速、物件探しから内見(注:さすがに物件の内見はリアル営業さんとの対面が必要ですが、内見の時が初めてかつ唯一仲介業の営業さんと会う時で、しかも現地集合で無駄がない)、契約まで、すべてが一本の高速な回線でつながっているような感覚で、このリアルタイム感はツイッター級です。契約は一般的に対面&書面で行いますが、これも書面のやり取りは宅配便/郵送で行い説明や質疑応答はオンライン(リモート会議)で可能なので家を出る必要なし。また、さきほど内見はさすがに対面で、と書きましたが、内見もリモートでやっている(営業さんだけが現地に入り、リモート画面越しに物件をリアルタイムで紹介してくれる)業者もあるようで、そうなると一度も誰とも会わずに賃貸物件の契約まで終えてしまうことができてしまうわけです。

 

逆に営業さんの立場で考えると一日中顧客から追い回されている格好になるのですが、内見の際、スマホやパソコンを自由自在に操っている営業さんを横目で見ながら、ITリテラシーがそれなりにある人ならむしろこのグルーヴ感が快感になるのかも、と思ったりもしました。オールウェイズ・コネクテッド。

 

様々な業種がリアル店舗からバーチャル店舗、いや、バーチャルの世界では「店舗」という概念すら存在しない業態へトランスフォームしていることを実感した体験でありました。まさにニューノーマル・ビジネス。