クルマとスマホの連係プレー

最近のクルマはスマホとの一体感が進んでいて、スマホをクルマにシームレスに組み込む「CarPlay」のような連係プレーが加速しており、まさに「クルマのデジタル化2.0」な世代を迎えています。代表例がスマホの地図アプリ(カーナビ機能)がクルマのカーナビと一体化するというような非常に便利な世界の実現。ぼくたちは日常的にスマホの地図アプリで目的地を検索し目的地までのルート情報を得て行動する、ということをやっていますが、このユーザー体験をそのままクルマの中に持ち込めるんですね。これすごく便利。

一方、我が家のクルマはデジタル化1.0時代とでも言いましょうか、クルマの各種システムとスマホのアプリがそれぞれ独立しつつ連係プレーをする、という仕様になっています。アプリからクルマの鍵の施錠、解除ができたり、アプリ(リモート)からクルマの空調を起動しておいて乗り込むまでの間に社内の熱気を逃がしておいてくれる、なんてことが2016年式の我が家のクルマでも実現できていますが、カーナビとスマホの地図アプリの連携はちょっと前世代的 ー ゆえに、「1.0時代」と呼んでいるのです。

具体的には、さてこれから出かけるぞ、っていうときにスマホのアプリに組み込まれた地図アプリを使って目的地を検索しておいて、その目的地の情報(位置情報)をクルマへ送信することが可能になっています。こうすることで、普段使い慣れたスマホ地図アプリの検索機能で目的地を探し出し、乗り込んだクルマの側ではアプリから送られてきた目的地の情報をもとにクルマのカーナビ機能を使ってルート検索し、目的地までの案内をしてくれます。「2.0時代」で実現されているスマホとクルマの一体化ではなく、アプリで検索、クルマでルート案内、という役割分担ですね。これ、1.0時代と言いながらも、とてつもなく便利な連係プレーです。カーナビを使っていてフラストレーションを覚えるのは目的地を探し出すところです。もちろん、カーナビは様々な検索方法を備えているのですが、スマホの地図アプリによる検索に慣れていると、その使い勝手の差は歴然です。

で、我が家の「クルマアプリ」が1.0時代なりに便利なことは上述の通りなのですが、最近アプリがバージョンアップ(というか別なアプリに進化)したことによって、ぼくからするとデグレードしてしまって残念な点がひとつありました。それは、アプリに組み込まれた地図アプリです。旧バージョンのアプリではグーグルマップが組み込まれていたので、目的地の検索性はグーグルマップそのもの。ほぼ完ぺきに目的地を探し出してくれます。一方、新しくなったアプリでは「here」という地図アプリに置き換わっていて、これがグーグル様ほどの情報量がないことが残念ポイントであります。先日も、グーグルマップでは難なく検索できた目的地がhereでは検索結果にヒットしなかったことがありました。ここ、グーグルマップに戻してくれないかなあ。

「2.0時代」でスマホがクルマが一体化する(正確には、スマホがクルマに組み込まれる)のもすばらしいことなのですが、カーナビ機能に限定して言うと、スマホアプリはGPSに基づいた位置認識をするので、トンネルに入ると迷子になっちゃうのです。ぼくは日本一長い、そして世界的に見ても2番目に長いトンネルを持つ首都高速中央環状線(C2)を多用するので、この制約は痛い。そこんとこ、1.0時代だとカーナビ機能はクルマが備えているものを使うため、トンネル内でも自分の居場所を見失わないのです。前世代の技術が時には最新世代よりも優れていることもある、というひとつの例ですね。