アドレス帳は組織構造から見たいのです


某社が Google Apps Premium Edition を導入するさい、シングルサインオンやセキュリティ強化などの環境構築に加えて Gmail のアドレス帳に手を入れた、という記事


記事によれば、組織構造から送信先を指定することができるようにした、とあります。これを読んでいて、はるか昔、20世紀にロータス ノーツでも同じことやったよなあ、という記憶が呼び戻されました。ノーツも舶来ソフトウェアですから、組織ツリーをたどっていって送信先を見つける、という思考がありませんでした。メールを送るときは名前直打ちかグループ名での指定のみ。開発元のアメリカ人の説得を何度か試みましたが玉砕し、だったらローカルで作っちゃえ、ということで日本独自に付加機能として提供*1してしまいました。


しかしこの文化は変わりませんねぇ。これは良いとか悪いとかの話じゃなくて文化そのものですから根強いというか根深い。実際は外人も組織構造を気にします*2が、その質が違うんですね。外人はあくまで個人対個人でコミュニケーションするさいに人間のつながりをつかむ目的で組織上の位置などを意識しますが、日本の場合はまず組織が先にあってそこに人間がぶら下がっている、という感覚で理解します。Google 的に考えれば (そして私もそうですが)、とにかくタイプして検索しちゃえばいいじゃん、瞬時に結果が返ってくるし、と思うのですが、ビジュアルで組織構造が見えてたどっていけるということが多くのお客様で大事だったりするので、こういったニーズは当分なくならないのでしょう。

*1:この機能は後に「漢字アドレス帳」として、日本語 (漢字名) でのアドレス表示機能とあわせて組織構造による宛先機能はグローバル製品に取り込まれることになったのですが

*2:むしろ日本人より上司に従順。そのゴマスリ行動規範についてはこちら