ヘイトクライムについて


ヘイトXXXXという話題が尽きることなく時折ぼくらの耳に入ってきますが、米国における昨年(2016年)のヘイトクライム憎悪犯罪)が2年連続で増加しているとのFBIの発表をラジオで聞きました。大統領がいまの方に変わったことも無関係ではないかもしれませんが、特定の宗教や団体、集団に対する「お前ら、嫌い」が高じて犯罪に至るケースが米国内で年間6,000件を超えていると聞いて(当局で把握している「通報数」ですから、実際の「行為」はさらに多いことでしょう)、驚きを禁じ得ません。


関連する日本語のニュースがありましたので、以下一部引用します。

犯人が特定された事件では、約58%が被害者の人種や民族性や先祖の系統を理由にしたものだったという。他方で、ヘイトクライムの21%が宗教を理由としており、18%近くが被害者の性的指向を理由にしていた。

2016年の米国でヘイトクライム増加 2年連続=FBIBBC News Japan)


6割弱は人種や民族、先祖に関連する理由とのことで、悲しむべきことですが、そもそも何なんだよそれが「理由」って! それは理由じゃなくて言い掛かりって呼ぶべきものでしょう。


また、宗教面では、日々報道される世界各地での過激派の活動からしイスラム系がもっとも「憎まれている」と思いきや、米国内ヘイトクライムの約600件はユダヤ系の人に対してのもので、イスラム教徒に対するものはその半分程度だそうです。


経年データとして見ていないのでこれが昨年特有の事象なのか近年の傾向なのかはわかりませんが、これらの総数や内訳には、日頃日本に暮らして国内ニュースを中心に見聞きしている私たちにとって、そして恥ずかしながら歴史や宗教、国際情勢に無学なぼくにとっては、かなりの驚きでした。特に、ムスリムへの攻撃はさぞかし多かろうと考えていましたが、ユダヤへの迫害は(少なくとも米国内では)根深いのだな、と思い知りました。


国内の報道(特に影響と伝播範囲の大きいテレビ)も、ワイドショーならいざ知らず、朝夕の限られた時間内で「社会の今」を切り取る役割を持ったニュース報道は、容疑者の捕まった同じ殺人事件の捜査進捗に毎日かなりの時間を割くくらいなら、もっともっと、国外の情勢を日常的に伝えてくれないものですかねえ。