雨乞いの科学 - 「クラウド・バスティング」


北京五輪では、競技場で雨が降らないよう雨雲をあらかじめ別な場所で「処理」する (強制的に雨を降らせてしまう) ことを試み、そして成功していました。その原理は、雨雲に対して「雨が降るようにけしかける刺激物質」を上から (飛行機などから投下) 下から (ロケット打ち上げ) 注入することによって雨雲ががまんできずに予定(?)より早く雨になってしまう、というものなのですが、先日読んだ新聞の記事によれば40年以上も前からすでに実行に移されていた技術なのですね。


その新聞記事を見て思い出したのが、Kate Bushの「Cloudbusting」という曲。この曲が入った「Hounds of Love」という彼女のアルバムがリリースされたのはかれこれ20年以上昔のこと。「Cloudbusting」は、雨降らせマシンの開発に取り組み、まもなく完成というところで政府の人間(?)に捕らえられてしまう科学者の話*1を曲にしたものでした。当時この曲のビデオを見たときは、雲に向かってなにやら怪しげな物体を打ち込んで雨を降らそうとしている科学者(演じているのはジャック・バウアーキーファー・サザーランドのお父さん、ドナルド・サザーランド)とKate Bushに「なーにが雨降らせマシンだ。んなものできるわけないじゃん」なんて思っていたのですが、当時この技術はすでに世に出ていたもの(技術としてはまだ未熟だったのでしょうけれど)だったのですね。。。驚きました。


再び新聞記事に戻りますが、この技術はまだまだ発展途上で、自由自在に雨降りをコントロールできるわけでもなさそうです。素人目には、この技術を使えば四国に雨をいっぱい降らせてあげたり、ゲリラ豪雨を撃退したりもできそうに思えますが、40年かけてもまだまだってことは、実用化を果たすまでの研究開発費がなかなか出てこないんじゃないでしょうか。( = それだけのお金を出すほどの需要がない。かつては水力発電のネタとして期待されていた時期もあったようですが)


さて、日本時間では昨日からベータ版公開の始まったGoogleによるブラウザ「Chrome」。ちょっと触りましたが、作り手の主張というかこだわりが感じられます。ツールやアドオンの対応は問題なく進むでしょうから、あとは好みと慣れがひと段落すれば、FireFoxユーザーからの移行がそれなりの規模で進みそう。ぜひ、両者は切磋琢磨していただきたいものです。一方IEを普通に使っている人はブラウザなんて何でもいっしょと思っているかそもそもブラウザという存在をそれほど意識していないことが多いと思うので、移行する理由が見当たりませんね。でも「切磋琢磨」が激しくなれば、どこかの国の政策論争のような「誰がやっても同じじゃん?」みたいな状況よりよっぽど注目度上がると思うので、IEユーザーも反応する日が来るのかもしれない。


Chromeは、インターネット世界という「クラウド」への刺激剤となっていくのでしょうか?


*1:実在した科学者(ヴィルヘルム・ライヒ)がモデルのようです