会社員にとっての予定納税とは

「予定納税せよ」という通知が税務署から届きました。


初めてのことだったので何のことかと調べてみると、予定納税とは所得税の納付手続きのひとつであることが判明、ただし、一般的な会社員には縁のないものであることも同時にわかりました。普段、税金を能動的に納めていない私のような会社員には、国税庁の文書を見てもイマイチわかりづらいなあと思ったので、私の理解をここに残しておくことにします。(以下長文になってしまったので、シンプル版を再度書き起こしました(リンク)


会社員は、給与・賞与を受け取るさいに所得税が天引き (源泉徴収) され、さらにその過不足を年末調整という恒例行事によって調整していますが、結局のところ所得税の納付手続きは会社と自分とのやり取りで完結します。一方会社員でも、しこたま給料を稼いでいる人 (年収2000万円を超える場合。2007年現在) や、給与以外の収入 (例: ストックオプション*1や雑収入がある、などなど) があるひとなどは、確定申告をする必要があります。


予定納税は、その年に予想される確定申告額 (今年のあなたの所得税はだいたいこのくらいになりそうだよねー、という、前年確定申告に基づいて算出される「予定納税基準額 」のこと) を3分割して、初回は7月いっぱい、2回目を11月いっぱい、残りを確定申告時に納めましょうというもので、自営業など一般会社員以外の方々にはおなじみの制度でした。会社員の場合、月々の給料から源泉徴収されていますが、そういう意味では年間の所得税を12分割*2して納めているわけです。


一般的な会社員である私に予定納税の通知が来たのは、今年の3月に確定申告をしてそれなりの税金を納めたことが理由でした。株で大儲け? などではありません。私のようなケースはあまり多くないのかもしれませんが、以下のようなステップを踏んでしまったことがその原因です。


(1) 年の途中で転職したが、年末調整時に前職の源泉徴収票が間に合わず、現職の源泉徴収のみで年末調整してしまった
前の会社では当然毎月の給料から所得税が天引きされていましたが、前職の源泉徴収票が手元になかったので仕方なく現職での源泉徴収のみに基づき年末調整をした。


(2) その後入手した前職の源泉徴収に基づき、確定申告をした
年末調整の段階では現職収入に基づいて税調整しましたが、確定申告時では前職の収入も合算して計算したため給与総額の違いから税率が変わり (多くなり)、結果として追加で税金を納めることになりました。→ ここがポイント … 予定納税は確定申告による納税額を基準と考えるため、そこそこの金額を納めた形になる私に「今年も確定申告で同じくらい納めることになるんじゃないの?」ということで税務署から届いたのが今回の予定納税通知。


ここでとりうる選択はふたつ。


(a) そのまま黙って通知にしたがって予定納税する
年初から月々の給与にしたがってきっちり源泉徴収されている私としては、予定納税せよといわれた金額はほぼ全額 "本来納める必要のない所得税" です。したがって、通知にしたがって税金を納めた場合、そのお金は次回確定申告することによって還付されることになります。年末調整でまとめてやってくれないかなあ、と税務署に問合せましたが、年末調整とはリンクしていないとのことで、還付を受けるには確定申告が必要となります。


(b) 減額申請を出して予定納税を免除してもらう
あとで戻ってくるっていったって、ウン十万もの金を納めるなんて! という場合は、「予定納税額の減額申請」という書類を税務署に出してそれが認められれば税金の減額、あるいは、私のような場合は納入額ゼロにしてもらえます。申請書 (PDF) には通常の所得税の計算欄のようなものがついていてなんだか面倒そうですが、私のケースでは上述のような理由をツラツラと「具体的理由」欄に書いておけば認めてもらえるそうです。→今日税務署行って話してきたのですが、「そうは言っても理由だけでなく計算欄は埋めろ」との一点張り、まあ文字通りのお役所対応でした)


長くなってしまいましたが、年の途中で転職し、かつ前職の源泉徴収票が年末調整までに入手できない会社員の場合、年末調整はせず確定申告一発で所得税の調整をしたほうが手続きが楽、ということですね。(でも、年末調整に前職の源泉徴収票が間に合わないケースって、まれなのかもねー)

*1:現時点で日本では給与扱いとなっていますが、通常の給与とは別な手続きで現金化されるため年末調整の対象になりません

*2:ボーナスがある場合はこれも支給時に源泉徴収されていますね