6年3組の寅子

NHK連続テレビ小説虎に翼』に第一話から完全にハマっていて、毎回(週5回)超没入しています。主題歌も飛ばさず聴いてます。昭和初期から戦中戦後を通した日本における不平等、不条理に満ちた世界とそれを乗り越えていく人々(とくに女性たち)の物語を、脚本、演出、俳優、その他関係スタッフが渾然一体となって魂を込めて届けてくれているのが高密度・高圧力で伝わってくる秀逸なドラマです。

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登場人物ひとりひとりにストーリーがあってそれぞれが見事に描かれていることと各役者さんたちのすばらしい演技によって作品の世界観が非常にリアルかつ自然にぼくたちの頭と胸に染み込んでいきます。でもやっぱり、主演の伊藤沙莉さんの存在感、細かいところまで気が配られた挙動、そして無限とも思える多彩な表情を作り出す「顔芸」はひときわ目を引きます。

 

ぼくが最初に彼女の存在を知ったのは、2005年に放送された『女王の教室』でした。寅子(伊藤沙莉演ずる『虎に翼』の主人公)の話からは脱線してしまいますが、この『女王の教室』、ぼくの好きなドラマトップ5に入るそれはそれはすばらしい作品です。社会のありようや歪んだ構造、不条理から目を逸らさず、流されず、自らの頭で考えそして困難に立ち向かいそれらを乗り越えて精一杯生きていく、ということを小学生を決して子供扱いせず真正面から徹底的に真面目に向き合って教育していく、いや、「悪魔のような」先生として振る舞うことによって「(直接的に)教える」のではなく、子供たち自らが気づき実践していくよう促していく、そんな型破りで真っ当な教師と生徒の物語なのですが、その番組の登場人物、6年3組の生徒のひとりとして伊藤沙莉さんが出演していたこたをはっきりと覚えています。特徴的なハスキーボイスは今と変わらず、なかなかなの存在感があり、だからこそぼくの記憶に鮮明に残っていたのです。(ということで、いま、『虎に翼』と並行して『女王の教室』をhuluで観ています)

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その『女王の教室』からはや19年後のいま、彼女は天性の表現力を持って戦う女性を見事に演じています。はまり役もいいところで、というか、彼女がこの役にはまっのではなく、脚本家やプロデューサー、演出家などとのチームワークの中から自ら「このドラマにおける寅子」を伊藤沙莉という役者が最高の形で作り上げたのだと思います。

 

というわけで寅子=伊藤沙莉 ⇒ 最高!と叫びたいのであります。