直虎をめぐる井伊谷物語


おんな城主 直虎』、終わりましたね。ぶっとい芯で貫かれる重厚タイプの大河と対極な、いろんな意味で起承転結あった楽しい作品でした。


子役が苦手なぼくは主人公の幼少期が長く続いた出だしの数話は、こりゃどうしたものかと困ってしまったものの、その後の今川家との数々のエピソード、高橋一生の小野但馬守政次の怪演など、前半はそれなりに楽しんでいました。しかし振り返ってみると、『直虎』が本当におもしろくなってきたのは政次の死後の展開だったのではないかと思っています。大河にしては若干軽薄な演技が目立った柴咲コウ・直虎も、歳を重ねてからの立ち振る舞いはそこそこ落ち着いて見えて良かったし、阿部サダヲによる新しいタイプのタヌキ家康も味があったし、家康の家臣たち(特に本多正信!)がみな個性的で毎回楽しめる作品でした。


そういう意味では、井伊直政(万千代)が成り上がっていく過程や家康がのらりくらりのし上がっていく様をもう少し見てみたかったな、というのが本音で、なんか途中でプツッと終わっちゃったな、という印象ですが、まあ、主役が天に召されてしまってはお話はおしまいにせざるを得ないでしょうね。傑作快作というほどではないですが、一年間ほどほどに楽しませてくれたドラマでありました。


真田丸、直虎と、やや軽快な大河が続きましたが、さて、つぎの『西郷どん』はどんな作品かな??