真田丸のMVP


真田丸』、終わっちゃいましたねー。おもしろかったですねー。ぼくは歴史に詳しくはありませんが、放送があるたびにそこかしこで勝手解説やら俺の説明を聞けトークが繰り広げられていたようで、それだけ作り手が細部にこだわって作っておりいい意味での突っ込みどころに溢れていた作品だったということですね。


戦国ものゆえ忠義とか家族愛とかを描くには最高な時代である反面、死とか命については現代の価値観とかなりの隔たりがあるため、痛快でテンポの良い一年間であったものの悲しさ辛さが余韻として残ってしまうのは致し方ないところ。安い言葉で表現するなら「感動」はあまり残らないんですよね。おもしろかったー!、なんだけど、あまり後を引かないと言いますか。


でも、でも、記憶に残る登場人物はいますよ。筆頭は真田昌幸草刈正雄さんですね。重厚感とひょうきんさを完璧に統合してました。大河での草刈さんはいつも超かっこいい、近寄りがたい圧力を持っていましたが、今回はスケールの大きい役柄を重さからではなく小技を積み上げて見事に演じてらっしゃいました。作品MVPは内野聖陽が有力ですって?いやー、家康もすごく良かったけど、昌幸っしょー。


あとは、きり(長澤まさみ)です。前半はなーんでこんな役入れてんだろ、単なる視聴率狙いか?などと思っていたのですが、後半に進むにつれ彼女の役割の大切さとストーリーへの織り込み方の巧妙さに唸ってしまう場面が多発。ある意味、彼女が真田丸の語りべだったんですね。ちょっと前の話になりますが、2011年の大河『江』において作り手が江に託していたのが戦国絵巻を彼女から語らせることだったと思っていて、『江』ではうまくいかなかったけど『真田丸』ではきりが最高の脚本の力を借りてすばらしく光った存在となっていました。


最後に。『真田丸』のオープニングがとても好きでした。音楽よし、映像よし、録画したものを見るのがほとんどなのでいつもの大河ならオープニングは早送りしちゃうのですが、今年は毎回きっちり見てました。