ゴールを見ない過ごし方


新年あけましておめでとうございます。


今年は、「ゴールを見ない」をいつも胸に置いて過ごそうと思います。


もちろん、すべてのことはきちんと目標を定め、計画し、実行と振り返り、そして改善を繰り返すべきということはわかっています。ここで言う「ゴールを見ない」とは、限界を自分で決めつけない、という意味です。


近年、箱根駅伝への批判の声が少しずつ耳につくようになってきました。長距離よりも中距離のスピード重視のこの競技が注目されることによって長距離レースの人材が育たなくなった、というものですが、この点については自分も同意するところがあります。ランニングを始めてから、10kmとハーフマラソンはまったく別物だし、さらにはフルマラソンもまた違うレースであるということが実感できたからです。これらのレースがなぜ異なる競技であるかと言えば、話は単純で、ゴール地点が違うからです。10kmレースとハーフマラソンは距離が倍になったという以上にさまざまな違いがあります。どちらが上とか下とかということではなく、別物なのです。(とはいえ、競技としての駅伝は大好きです)


人間は不思議なもので、設定したゴールに向けて最大限のパワーを使うように自身の体と心をコントローしてしまうようです。コントロールというと聞こえはいいですが、要は、設定したゴールに向けて自分の限界をセットしてしまうのです。たとえば、ランニングのゴールを5kmと設定して走り始めると、ペースの問題ももちろんありますが、5kmの時点で「もう限界!」という走りをしてしまいます。しかし実際には、自分は10kmもハーフも走り切れる体力があるのに、設定したゴール時点で限界だと思い込んでしまうのです。「帳尻を合わせる」というずるがしこい思考が私たちのアタマにはそなわっているのではないでしょうか。


だから、あえて、ゴールを見ない、をやってみようかと。繰り返しますが、個々のタスクには明確なゴールが必要です。ただし、自分の限界というか、できることのリミットをどこかでひいいてしまわないようにしたいな、というのが「ゴールを見ない」の意味です。