Google Waveと有限の隔たり


ネットからなるべく距離を置こうと思っていたプチ夏休みの間にGoogle Wave開発中止のニュースが流れました。週が明けてからこの件にコメントするのは遅すぎの感がありますが、このブログを振り返ってみるとWaveについて何度も言及しており、それなりの思い入れもあったんだろうなということで、簡単に感想を述べておきます。


まあ一言でいえば市場の評価は「そんなリアルタイムいらねー。てか、付いてけないし」といったところではないでしょうか。


昨年5月末のWave発表直後、第一印象について書き残していた(『Google Wave に人類は対応できるか』)のですが、Waveレベルのリアルタイムは人間もインフラもまだ必要としないし付いていくだけの準備もできていなかったということでしょう。(以下当該エントリーからの抜粋)

異なるツールの比較をするなと言われそうですが、Twitter が普通に受け入れられるようなってはじめて、世界は Wave への入り口という段階に立つ、そんな感覚を持っています。流れ続ける情報への対応、フラットな世界、そういった要素を持ち合わせた Twitter には、Wave と部分的に共有する before/after の境界線があるように思います。


現在の私たちに必要な「リアルタイム」は、コンピュータと人間がリアルタイムで結ばれることではなくて、あらゆるコンピュータシステム同士がリアルタイムにつながり、人間が必要と思ったときにその瞬間の最新のデータが引き出せる、あるいはアクセスできることではないか、そんな気がしています。そういう意味でも、Waveは早すぎたんだと思います。コンピュータと人間の間には有限の隔たりが必要なんだと。


話題は別方向に飛びますが、当初から懐疑的な意見を述べてきたWaveとは違ってGoogle Buzzには希望の光を感じているんですよね。自分でも不思議。しかもぼくはまったくBuzzを使っていないのに。(笑) Gmailと一体化しているという機能面での優位性と、メールと文書データベースの中間のような立ち位置が、ぼくにそう感じさせるのでしょう。まあ、こいつもそのうちポシャッってしまうのかもしれませんが。。


Buzzについて言いたかったことはこちら(→『Google Waveの反省から生まれたBuzz (と言い切ってみる)』)のエントリーに書いてあります。GoogleFacebookに対抗するとかしないとかいう話がちらほら聞こえてきますが、Googleが本気でそこを狙うなら、Gmailのシェアを上げることにガッツンガッツン心血を注ぎ、その裏でBuzzをベースとしたコミュニケーションネットワーク作っていくというのが王道でしょう。