カビのある生活について


娘が夏休みの自由研究で「カビ」について調べるというので、横からチラチラと見ていてハッとしたことがひとつ。


レポート中、研究の動機を述べているところで、「シュークリームにカビが生えているのを見て驚き、カビについていろいろ調べたくなった」とあったのですが、彼女に話を聞くと、カビというのは風呂場に生えるものであって食べ物に生えているのを直に見たのは初めてだ、と言うのです。振り返ってみると、たしかに、最近は食品に生えるカビを目にする機会が減っているように思います。実験には食パンを用いたのですが、そこにボーボーと生えるカビを見るのは私自身も久しぶりでした。


身の回りのものの多くに「除菌」「滅菌」があふれ、食品の防カビ/防腐技術も進み、人々の清潔さへの関心がぼくらの子ども時代と比較して高まっている現代では、カビすら生で見る機会がないのか、との素朴な驚き。我が家でブルーチーズを食べるのは妻だけなので、「ほれ、これもカビなんだよ」と教える機会もないなあ。


ちなみに今回の実験では、どんな食品がカビ防止に役立つかを調べていたのですが、防腐効果で名高い梅干に加え、わさび、からし、酢、レモン汁などを使っていました。カビがついたケース、つかなかったケース、ついたけれども発生がスローだったケースなどさまざまでした。たとえば、「からし (洋からし)」を塗った食パンではカビは生えなかったのですが、からし自身に防カビ作用があったのか、あるいはからしを塗りたくったことにより呼吸できる環境が邪魔されたのが原因か*1までは踏み込んで調べられませんでした。ひとくちに防カビといっても、その防御・撃退法はいろいろあるようですし、対象とする菌によっても使用する薬品や手法が多種多様。もし、からしの防カビが酸素遮断によるものならば、きっと甘ぁいピーナッツバターでも効果ありだったんだろうな。

*1:カビも呼吸しますので、生きるためには酸素が必要