さあ、人生の仕上げだ - 羽化直前のセミ

saitokoichi2007-07-28



先日我が家のカブトムシが羽化したというエントリーを書きました。これはオスが羽化したときに書いたのですが、実は幼虫は二匹飼っていて、ああもう一匹は昇天してしまったかな、とあきらめかけていた数日後、なんとメスのカブトムシがゴソゴソ歩いているではありませんか。初めて羽化に成功した二匹が "つがい" だなんて、なんて幸運なんでしょう!


さて、お話は本日の風景へ。近所の神社でやっていた盆踊りへ子どもが行きたいというので、同伴してウダウダしていたのですが、ふと横に立っている木の幹を見ると茶色いムシがエッチラオッチラと上っていました。暗かったので目を凝らしてよく見てみると、なんとセミの幼虫! 木をよじ登っているということは、数年にもわたる幼虫期を経てまさにこれから成虫にならんとしている、その最中のはずです。思わず戸川純の「蛹化(むし)の女」を思い出して、、、というのは冗談ですが、都会育ちで虫というものは店で買ってくるのが常識だった私としては、この状態のセミ (の幼虫) を生で見るのは生まれて初めて*1。なんとか羽化する瞬間を捉えたかったのですが、幼虫は木を上へ上へと向かっていき、ついには地上の私たちからは見えないところへ行ってしまいました。きっと今晩のうちにあの茶色い背中を割って白い成虫へと成長するのでしょう。


カブトムシのエントリーでも書きましたが、セミの場合の変態は「不完全変態」といって、あの茶色い状態は蛹ではありません。乱暴に言うと、幼少期より脱皮を繰り返して最後の脱皮で成虫になる、そんな感じです。ですから、体のつくりにはカブトムシほどの劇的な変化はなく、羽が生えるなどにとどまります。基本構造には大きな変化はなく、拡張を繰り返していって成長していく様は、ハードウェアにしてもソフトウェアにしても、いわゆるテクノロジーの世界では一般的ですね。


セミが羽化する瞬間を見られなかったのは残念ですが、木を上っている幼虫を見られただけで、とても得をしたような気持ちになれました。私はいま本厄なのですが(汗)、人生四十年にして初めて見る自然の驚異ふたつ (カブトムシ、セミ) に出会えてとってもハッピーでございます。

*1:このチャンスを逃すまいと携帯カメラで捉えてみたものの、カメラの性能がショボいのでなんとなくボケた写りにしかなりませんでした