iPhone は携帯電話である、ということ


iPhoneは「購入者の 90% が満足している」というサーベイの結果。(USA Today の原文はこちら)


発売からわずか 1週間後に実施されたサーベイなので、同製品に対して購入前から人一倍強い期待を持っていた回答者の割合が高かったと予想できるため、それほど驚く数値ではありません。


そのサーベイで明らかになった「改善を要する点」の上位は、(1)バッテリー寿命の短さ(2)インターネット利用速度の遅さ(3)内部メモリーの少なさ、とのこと。文字入力についての不満は、高くなかったようです。この点については、ブログで見られる利用者レポートなどでも、同様の評価みたい。上記不満点のうち、(1) と (2) は今後の技術的課題。あの UI を作り出すために相応のプロセッサ処理を必要とするでしょうし、デバイスいっぱいに明るくきれいな画面表示をするためにも結構電力使うんじゃないかと思います。(2) のインターネット高速化も電力消費を高める要因のひとつ。iPhone のサイズの中でこれらを改善していくのは、結構大変なんじゃないか、というのが今のところの印象。


で、やっぱりこれは電話なの? PDA なの?それともこれまでにない新カテゴリーの何かなの?について考えざるを得ません。


iPhone は「誰のため」の「何なのか」。製品名からも、ジョブズのお披露目プレゼンを見た印象でも、作り側の意図としてはこれは「携帯電話」。「誰の」「何」という意味では、日本の携帯電話と同じ。スマートフォンを超えるものとして、ジョブズ流に徹底的にこだわった味付けをした 『アメリカ人による "ユーザー体験志向" の携帯電話』。そういう意図で作ったんだから、携帯電話としてどこまでやるのよ、どうするのよ、っていう視点で今後の機能改善がなされていくべきかと。


ただ個人的な思いとしては、iPhone はとってもキュートでクールだし購買欲めちゃくちゃソソられるんだけど、携帯電話であるという点に違和感を感じます。通話/通信部分は技術的にもビジネス的にも切り離して、"スーパー・ザウルス" を作ってほしいなあ、というのが発表当時から変わらない率直な私の思い。技術的にそのほうが柔軟だと思うし、こんなすばらしいデバイス携帯電話キャリアに縛られているという状況が利用者としてどうにも納得いかんのです。


【余談】今後様子を見たいのが、耐久性 --とりわけタッチスクリーン (画面) の-- です。携帯電話ってその性格上結構乱暴に扱われるので、ボタンを拒絶したインターフェースがどこまで耐えられるのかに興味があるのです。