とんかつ三進。をプロデュース

saitokoichi2007-06-28



他の食材と同様、とんかつにも実に様々なバリエーションがありますが、私が旨いと感じるかつは、「肉はロース、厚みはほどほどに」、「衣は薄く、ザクザクしない」、「油はさっぱり系」です。すりゴマを振ったり肉が厚めの高級なとんかつより、定食で1000円以下で食べられるものを好みます。


以前五反田に職場があったとき (ロータス時代) は、「世野新」というとんかつ屋が近所にありました。ランチの「とんかつ定食」は 800円で、手ごろなボリュームと絶妙な薄い衣が気に入って、よく通っていました。とんかつなのに衣の油をほとんど感じることがなく、今でもベスト・コストパフォーマンスなとんかつだと思っています。(ただこの店、白飯がイマイチなんですねー。100円くらい値上げしてもいいので白飯のクオリティーを上げてほしい)


一方、今の職場 (@大手町)。オフィスから 10分ちょっと歩けば JR 神田駅なのですが、南口駅前交差点の薬屋脇に見えるとんかつ屋の暖簾が以前から気になっていて、今日、夕方の散歩で通りかかったついでに店に入ってみました。


店の名前は「三進」といい、地下にある非常に小さなお店。20席程度でしょうか。気さくなご夫婦 (だよな? 確認してないけど(笑)) でやっている、地味なとんかつ屋です。


注文したロースかつは、衣の色が若干黒味がかっているものの、上述の旨いとんかつの条件はすべてクリアしており、大変美味しくいただけました。衣の黒味は焦げから来ているものではなく、おそらく下味に醤油か何かを使っているためだと想像します。丁寧に作っているというのがビシビシ伝わってくる逸品で、他に客がひとりもいなかった (笑) ことも手伝って、店主・奥様と話し込んでしまいました。


かつて新聞記者にあこがれていたという店主によると、脱サラしてここに店を構えたのが 20年前。会話した印象では、今は大繁盛しているというわけでもなさそうで、オフィスが 10分ほどのところにあると言うと「ランチにお弁当届けますからいつでも電話して!」と奥様に営業されてしまいました。でも、ほんとうに美味しく、そしてなにより心温かくとんかつをいただけたので、何度でも足を運ぼうと思うし、同僚にも教えねばと考えています。(でも会社からはちょーっと遠いかな)


こういうお店に出会うと、なんとか繁盛してほしいな、と心の底から思います。はじめて訪れた客に対して営業攻撃バリバリだったんだけど嫌と感じるところはまるでなく、人柄って大事だな、でも人柄だけで商売がうまくいくとは限らないんだよな、などと考えつつ、『野ブタ。をプロデュース』ならぬ『とんかつ三進。をプロデュース』できないものかと思いにふけりながらオフィスへ戻りました。


。。。次回は写真撮ってきます。


お店の情報
(注) 2007年10月22日より、夜間は「串揚げ三進」となり、とんかつはメニューから外れています。三進のとんかつは、お昼時間のみいただけます。(マスターも夜は違う方です) 再度夜のとんかつ営業はじめました!!

とんかつ「三進」
〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町 1-7-3 浅野屋ビル B1 (神田駅南口前)
TEL: 03-3258-6808
営業日 月〜金曜 昼 11:30〜14:00
            夜 17:00〜22:00 (ラストオーダー 21:30)
定休日 土・日・祝祭日

2010年11月追記:
大変残念なことですが、とんかつ三進さんは2010年11月5日をもって「一時閉店」となってしまいました。