6割ものひとが年金の権利を放棄


今朝の日本経済新聞で「確定拠出年金 転職者の6割放棄」という記事が一面で取り上げられていました。転職しても積み立てた年金を次の会社へ持っていけるという、日本では比較的最近取り入れられた制度。(http://www.npfa.or.jp/401K/index.html)

6割という数字には少々驚きましたが、でもそれなりの割合で手続きをし損ねる人が出ても不思議ではないくらい、仕組みが分かりづらい。


実際私も前職の会社が確定拠出年金を導入しており、転職にあたって "所定の手続き" が必要だったのですが、ほんと分かりづらい。いわゆる記録係的な「記録関連運営管理機関」や掛け金を実際に運用する銀行などの機関、所属する会社などなど、関係者は多いのですが、甘やかされることに慣れている日本人としては「よくわかんないんだけど、誰に聞けばいいの?」を求めちゃいます。結局、先輩の助言(?)もありまして、運用委託先の銀行に連絡、その後は比較的スムーズに処理が進みました。上記の6割の方々も、とっとと運用先に連絡とって手続き済ませちゃいましょう。手数料など取られますが、積み立てた金を捨てるよりましです。(なお新聞見出しでは「放棄」という強い表現が使われていますが、完全に権利を失うわけではありません)


厚生労働省も「そっか、分かりづらいかねえ」ということで運用放棄者を減らすための手を打ち始めているそうな。記事にもありますが、「運用は自己責任」という建前がある一方で、高齢化社会における年金制度対策ということで同省も放置できないのでしょう。制度に欠陥があるというよりは、"とにかくわかりづらい" 点が問題*1なわけで、うまい解決策が見つかるとよいのですが。

*1:「わかりづらい制度はそれ自身欠陥である」というご意見もあるかもしれませんが