三十代最後の日

saitokoichi2006-11-17



いよいよ終盤を迎え、通勤帰りの電車中で盛り上がりを見せている「フェルマーの最終定理」では、17世紀の数学者フェルマーが残した未証明の定理をめぐる人と学会と政治と宗教、そしてそれらを見つめてきた350年以上にわたる歴史がドラマチックに描かれています。ちょうどいま差し掛かっているのは、同定理証明の重要な手がかり*1となった「谷山=志村予想」(誇るべき日本人の功績です!)をめぐるセクションですが、今日11月17日は同予想を提唱した数学者のひとり、谷山豊が31年と少々の人生を自ら絶った日であると記されています。それは1958年のこと。


一方、私にとっての今日は「三十代最後の日」であります。毎年ミッキーマウスとともに年をとり(彼は年をとらない?)、頼んでもいないのにディズニーランド様には立派なお祝いをしていただいているわけですが、いよいよ40です。人生を10年ごとに区切って振り返ってみると、もっとも早く過ぎ去って行ったのは二十代でした。大学、就職、転職と大きな変化を繰り返すうちに気づいたら十年があっという間に終わってしまい、その反動なのかはわかりませんが、三十代はもっとも長く感じた十年でした。35になったときに「ああ、まだ35か」と思ったことをはっきり覚えていますが、そこからまだ5年しか経っていないのか、という印象です。


プロフィールにも書きましたが、私にとって重要な意味を持つ年は1995年です。今思えば95年というのは、二十代最後の一年間をスタートした年でもあったのですね。明日からの次の十年は、子どもの受験が控えているというとても大事な時期ですが、自分と家族の人生を楽しむことは忘れないようにしたいと思います。なにごとも、Have Funです。


写真は、ティーンエイジの思い出のラーメン屋、「パンダ」の菜担々麺(さいたんたんめん)です。高校の同級生に誘われて、当時 "幸楽" と名乗っていた京急蒲田の小さなラーメン店で出会ったこの担々麺の感動は、今でも忘れられません。当時(80年代初頭)は担々麺の社会的認知度はまだ低く、ゴマだれをベースとしたスープは新鮮な感動でした。パンダの担々麺は、濃厚で辛味の強い担々麺が好きな人からすると少々パンチ不足かもしれませんが、私はこの味が大好きですし、「青春の味」そのものです。(笑)


フェルマーの定理が、イギリスはケンブリッジ*2生まれの数学者アンドリュー・ワイルズによって最終的に証明され、その論文が『アナルズ・オブ・マセマティクス』に掲載されたのは1995年。。。 今夜は、街も、電車も、静かです。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

*1:この「谷山=志村予想」が成立することを証明することが、アンドリュー・ワイルズが採ったフェルマーの定理証明のロジックでした

*2:そう、Lotus Developementがあったボストンのケンブリッジではなく