中学受験とこどもの心

今朝の新聞で、今春の入試で定員割れとなった私大が昨年比10%以上も増えて全体の4割にも達しているというニュースを見ました。そう、4割!! 学生を集められないと商売としての大学は成立しないので、どの大学も必死になって学生集めに走っています。

一方先日、私大付属高校が公立の中学校との連携を検討という別なニュースを目にしました。私大付属高校が公立中学とのいわゆる「中高一貫」を進めるというのです。青田刈りもここまできたかと、驚きました。

小学校6年になる子を持つ父として、いまの日本の中学受験の加熱ぶりにはちょっとした危機感を持っています。うちの場合は早々に「中学受験はさせない」と決めていましたので、よく言えば伸び伸びと、悪く言うとだらだらと(笑)小学校生活を送らせてきました。一方で中学受験のために小学校低中学年からびっちり塾通いをさせ、さあこの夏が勝負だというお友達も周りに多くいらっしゃいます。

中学受験というのは、幼稚園・小学校のお受験あるいは高校・大学受験らとはかなり異質なものなのではないかと思っています。私は専門家ではないので間違ったことを言っているかもしれませんが、持論として、遊びや身の回りの様々なもの・事象とのコミュニケーションの中で個々人の土台が築かれていく小学校の6年間で、その大半を詰め込み式の受験対策のための勉強に充ててしまうと、よほど親がしっかりしていないと、受験生本人の心にゆがみやひずみが出てしまうと思っています。残念ながら受験生の親の中には、受験にかけるお金と時間が自身や家計に与えるプレッシャーなどからどうしても「合格がすべて」という近視眼的な目標達成を強く求めてしまう傾向にある方もいらっしゃるようです。

中学受験は他の受験と比較し様々な意味で大変な「過程」を家族とこどもに強制します。当たり前のことなのに見失ってしまいがちな「なんのために受験させるのか」「本当に本人のために考えた選択なのか」を十分議論したうえで、そのときの決断をどこかに書き記すなどして常に忘れないようにし、立ち向かうべきものだと思います。私の2番目の子はいま3年生、自戒の意味もこめて記すことにしました。