ノーツの効能(2) - 次のステージへ〜フォーラム@ニフティお役御免

ニフティのサービス「フォーラム@nifty」が2007年3月をもって終了するとのことです。(関連記事)

今でも、はじめてパソコン通信に触れたときの感動は忘れられません。それだけに、ニフティのフォーラムの活動停止には、ひとつの時代の区切りを感じます。もっとも、よくここまで残ったぞ、という見方もできるかもしれません。

私が最初に勤めた会社では、社内のコミュニケーション/コラボレーションのインフラにパソコン通信(NIFTY Serve*1のCUG*2 )を使っていました。90年代初期のことです。そのころは「LAN」なんてまだ普及していませんでしたから*3、電子メールや掲示板、電子会議室(フォーラム)といった機能を提供するパソコン通信は、それはそれは便利なものでした。*4

会社のCUGでは掲示板/フォーラムの数は限定されたものでしたが、"公開されている" NIFTY Serveの世界は、私にとって広大な海でした。1本の細ぉい電話線の先に果てしない海、いや、「知の森」が広がっているという厳然たる事実にえらく感動を覚えました。それがいま、インターネット上のさまざまなサービスの登場によって、その役目を終えたわけですね。

さてその頃の私は、パソ通の感動をひきずったまま、内なるネットワーク 〜LAN〜 上で展開されるコラボレーション環境であるロータス ノーツに魅せられ、95年にロータス株式会社への転職を決意しました。ノーツは私にとって、今でも、「情報共有のためのきわめてよくできたツール」です。「情報の共有」と言うは易しですが、これはなかなか難しい。テクノロジーはあくまで支援者に過ぎず、結局のところそれを使う人間のマインドでその価値が決定付けられてしまうからです。

ノーツはその後「内なるコラボレーション」から脱皮しようと試みましたが、結果は出すことができませんでした。「ブレイクスルー」とはうまい言葉で、ノーツにはこの「ブレイクスルー」が最後まで実現できなかったのでしょう。

*1:当時

*2:"Closed User Group"のこと。非公開IDを使ってログインすると専用のメール、掲示板、会議室、ライブラリーなどにアクセスできるようになっていた。

*3:私の最初の仕事は、某社でのLANビジネス立ち上げ...を手伝うこと => 新入社員でしたからねぇ。PC LANで情報システムが変わるぞ」というのがお客様向けのいつも変わらぬメッセージでした

*4:電話代がバカにならなかったこともまた別の側面として重要です