夢のオフィス・オートメーションはどこへいった


ぼくが社会人になったころは、まだオフィス・オートメーション(OA)という言葉を耳にすることはあったんですが、最近はすっかり聞かなくなりましたね。


どうして急にオフィス・オートメーションなんて思い出したのかと言うと、以下のニュースが目に入ったからです。

ホワイトボードの情報をEvernoteで共有、内田洋行がシステム製品を提供

内田洋行は2011年4月19日、ホワイトボードに書いた内容をインターネット上で共有できるシステム製品「書撮りくんEN」を6月20日に出荷すると発表した。情報を保存・共有するクラウドサービス「Evernote」の開発元である米エバーノートなどと協業し、ボードに書いた内容をネット上で共有できるようにするほか、手書きの文字を認識してテキストとして格納・検索できる機能などを提供する。


ニュースで紹介されているのはホワイトボードに書き込んだ内容をEvernoteに取り込むソリューションですが、こういうふうにアナログなオフィス機器とデジタル世界を結びつけるのもオフィス・オートメーションが目指してた世界のひとつだったよなあ、と思った次第。


「コンピュータを使って業務を効率化しよう!」という掛け声だったオフィス・オートメーションというコンセプトは、ネットがすっかりインフラとなった現代では新鮮さを失ってしまいましたが、「標準化」、「複雑性の排除」、「自動化」、などなど、ITおよびそれを活用する人間が取り組むべき課題は次から次へと出てきます。興味深いのは、左記で並べたような課題はITが発展する過程で生まれてきたものであるという側面を持っている点。


コンピュータは便利だ!と思って使い込んでいったらコンピュータを活用すること自身に起因する別な課題が出てきて、それを解決するために新たなシステムを考えたらそれがまた別なややこしい問題に発展したりと、きりがありません。それでもぼくたちは、少なくともぼくは、テクノロジーが世界を豊かにすると信じて、それらの課題と向き合って生きているんですけどね。