『西郷どん』。よかよか


西郷どん』、終わりましたねー。個人的には涙する場面がほとんどなかった一年でしたが、かといってつまらなかったわけでもなく、近代ニッポンの黎明期を太く生きた人々をそれぞれのストーリーで語り続けたよい大河だったと思います。一年を通じた起承転結というか、流罪期の展開もうまく機能していたと思うし、抑揚がついたバランスのとれた構成でした。


一方後半3ヶ月くらいは、西郷が主役なので仕方ないのですが、大久保の苦悩にもっと焦点を当てて、西郷の苦悩との対比をよりくっきりと描いてくれるとさらに良かったかなー、と感じています。ここ、クライマックスの連続ですから。


しっかし、渡辺謙島津斉彬)の存在感は凄まじいですね。斉彬亡き後は渡辺謙を受け止める役者が最後まで登場しなかった感が残ります。鈴木亮平も体型含めた役作りに相当の気合いが入っていたし、脇役陣もすばらしい方々ばかりでしたが、どっしり安定感のある存在という意味では渡辺謙を前半で失ったのは大きかったです。『直虎』における小林薫南渓和尚)みたいな存在が年間を通じてあると、物語の背骨がシャキッとしたと思います。そういう意味では、島津久光を演じた青木崇高がそのポジションにいたのかもしれません。


まだ100年ちょっと前のお話なんですよね。この人たちの描いた物語の上に、ぼくらは生きているわけで、感慨深いです。